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Web 事業を売却して引き渡すときに業務システム側で整理すべき 9 項目

更新日: 2026-05-23 カテゴリ: セキュリティ・監査・業務システム
欧米 PhD / 大学研究員博士号・研究開発・国際論文発表
外資 IT/コンサルセキュリティ・監査・PM 実務経験
過去保有 CISSP/CISA/CISM/PMP監査・セキュリティ・PM
Web 事業 Exit 経験サービス設計から売却まで
Web 事業 (SaaS・EC・メディア) の売却 (Exit) では、買い手側のデューデリと、契約後の引き渡し作業が最大のボトルネックになりがちです。業務システム側で事前に整理しておくと、デューデリ期間を短縮でき、買い手側の不安も下がります。

1. データの全体図

業務システム上に存在する個人情報・契約情報・取引情報・売上情報・運用ログを 1 枚の図にまとめます。

データの流れ・保管先・保管期間・暗号化方式・バックアップを含めた構成図があると、デューデリの最初の 1 週間が省略できます。

2. アクセス権限の現状

業務システム・SaaS・クラウドリソース・コードリポジトリ・本番環境に対する現状のアクセス権限一覧を整理します。

退職者・元委託先が残っている場合は、引き渡し前に整理します。買い手側の引き継ぎフローで、誰が何を持っていたかが明確だと混乱が起きません。

3. 契約資産の一覧

業務システムに関連する全契約 (SaaS・委託先・サーバー・ドメイン・SSL・データセンター・銀行・決済代行) を一覧化し、契約期限・契約者名義・引き継ぎ可否・移行条件を整理します。

名義変更が必要な契約・解約再契約しか選択肢がない契約・サブ委託の許諾が必要な契約を見分けておくと、引き渡し計画が現実的になります。

4. 委託先とサブ委託の構造

サブ委託先まで含めた構造図を整理します。

業務システム → 委託先 SaaS → サブ委託 (例: 業務システムが Stripe を使い、Stripe が AWS にホストされている) という階層構造で、各レイヤの取り扱い情報と契約状態を明示します。

5. 業務フロー (人 + システム)

業務システムを使った実際のオペレーション (オペレーター・カスタマーサポート・経理・運用) を業務フロー図で整理します。

システムの機能だけでなく、人がどの画面・どの SaaS をどの順番で使うかが分かると、買い手側の運用引き継ぎがスムーズになります。

6. ログと監査証跡

業務システムが取得しているログ・監査証跡の種類・保管期間・参照方法を整理します。

引き渡し後、買い手側で過去のログを参照する場面が必ず出るため、参照方法と権限移行の方針を引き継ぎ書類に含めておきます。

7. インフラコスト

業務システム関連のインフラコスト (クラウド・SaaS・CDN・データセンター・帯域) を月次・年次で集計し、過去 12 ヶ月の推移を整理します。

これは買い手側が事業価値を評価するのに必須で、適当な数字を出すと交渉に響きます。

8. コード・知財の整理

業務システムのコードリポジトリ・依存ライブラリ・ライセンス・社内ドキュメントを整理します。

オープンソースライセンスの遵守状況、社内固有の知財 (ロゴ・商標・ブランド資産) の権利関係、第三者ライセンスの引き継ぎ可否を一覧化します。

9. 引き継ぎ手順書

上記 1-8 を踏まえた引き継ぎ手順書を業務システムまわりでまとめます。

日次・週次・月次・年次のオペレーション、緊急対応フロー、外部委託先への連絡方法、運用担当者の役割を文書化します。買い手側の運用担当者が、引き渡し日から自分で操作できる状態が目標です。

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