STRIDE は Spoofing (なりすまし) / Tampering (改ざん) / Repudiation (否認) / Information Disclosure (情報漏洩) / Denial of Service (サービス妨害) / Elevation of Privilege (権限昇格) の頭文字です。
業務システムの典型機能 (認証・権限管理・データ参照・データ更新・外部連携・ログ) に当てはめると、各機能で考えるべき脅威が機械的に出てきます。脅威モデリングの粒度はこの 2 軸 (機能 × STRIDE) で十分です。
認証では Spoofing と Elevation of Privilege が中心です。
パスワード総当たり攻撃、セッションハイジャック、トークン再利用、MFA バイパス、SSO 連携時の権限引き継ぎミスが代表例です。要件定義段階で、認証フロー・セッション管理・MFA 要件・SSO 連携時の権限マッピングを文書化します。
権限管理は Elevation of Privilege と Information Disclosure が中心です。
ロール定義の曖昧さ、デフォルト権限の過大、API 経由の権限チェック漏れ、テナント分離の不備、特権 ID の共有が典型脅威です。要件定義段階でロール一覧・各ロールが操作可能な対象・操作種別を表形式で書き出します。
データ参照では Information Disclosure が中心です。
マスタ照会の参照範囲、ログ閲覧の権限、エクスポート機能の権限、API 経由の大量取得、フィルタ条件のバイパスが脅威です。要件定義で、各画面・各 API がどの範囲のデータを返すか・誰がアクセスできるかを定義します。
データ更新では Tampering と Repudiation が中心です。
不正な更新リクエスト、同時更新の競合、操作ログの欠落、更新後の値の検証漏れが典型です。要件定義で更新権限・楽観的ロック・操作ログ・更新内容のレビュー要否を明示します。
外部連携では Information Disclosure と Spoofing が中心です。
外部 API への過剰なデータ送信、API キーの漏洩、webhook の検証漏れ、署名検証の不備、リプレイ攻撃が脅威です。要件定義で連携先・送信データ・認証方式・署名検証要件を明示します。
ログでは Repudiation が中心です。
必要なログが取得されていない、ログが改ざんされる、ログから個人情報が漏れる、ログの保管期限が短い、が典型脅威です。要件定義で、取得対象のイベント・保管期限・保管先・改ざん防止策・参照権限を定義します。
上記 6 軸 × 6 カテゴリの中で、現状の業務システムで考慮されていない箇所が見つかったら、要件定義段階で対応方針を決めます。これだけで、実装後の指摘事項対応で発生する 「やり直し」 工数を半減以上できることが多いです。
本記事の領域 (PCI DSS / ISMS / 内部統制 / 個人情報保護 / AI 統合 等) で業務システムの改修・新規開発をご検討の場合は、現状の構成・課題の概要をお送りください。2 営業日以内に初回スコープと固定見積もりの方向性を返信します。
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